糖の水酸基をすべて窒素に置換した糖(全窒素糖と呼ぶ)を、連続的多重Overman転位を利用して短工程で合成する経路を開発した。炭素数5、炭素数6の全窒素糖の合成と生物活性評価により、以下の成果を得た。1) D-ガラクトースをペンタキスイミデートへ導いた。これを加熱すると連続的なOverman転位が起こり、五重転位体を与えた。転位体はD-グルコフラノース型全窒素糖へ誘導することができた。この方法論により9種類の全窒素糖を合成した。2) 合成した全窒素糖ならびにその誘導体の生物活性を検定し、アラビノ型全窒素糖にコレステロールを結合させた誘導体が、ヒトがん細胞に対し細胞毒性を示すことを見出した。
|