極性構造を有する物質の開発やその物性の解明に向けてこれまで数多くの研究開発が行われてきた。本研究では、金属配位子間電子移動を示す原子価異性錯体に着目し、キラル配位子を用いた分子配向制御、及び電子移動方向制御により、分極が可逆に反転する新しいタイプの分極制御物質を開発することを目指した。分極が結晶レベルでスイッチする物質を開発するために、キラル配位子(R or S)を用いたコバルト原子価異性錯体の開発を行い、エナンチオピュアな配位子を用いた錯体の開発に成功した。また、異種金属擬ラセミ錯体結晶の開発のための知見を得ることができた。
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