本研究では、液晶性を有するイオン液体を創成し、イオン液体のイオン導電性を利用した電気化学重合法を開発した。次に、液晶性イオン液体にキラル化合物を添加することで、あるいは、液晶性イオン液体の対アニオンに、キラルビナフチルホスフェイトを用いることで、キラル液晶性を有するイオン液体を合成した。これら二つのタイプのキラル液晶性イオン液体をそれぞれ重合溶媒として、支持電解質を用いる必要のない新規の不斉電気化学重合法を開発した。同法により、ヘリカル構造を有するポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)の不斉電気化学合成を実現した。
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