N-カドヘリンを発現するマウス筋芽細胞で2つの細胞架橋ゲルを作製し、容器内で積層するとゲル同士は自発的に接着した。上のゲルと下のゲルの細胞同士がN-カドヘリン依存的な細胞間結合を形成した。細胞ゲルでは、界面で細胞間結合により生じた接着力がゲルネットワークを通じて集積・統合し、さらにゲル全体に伝播することで、ゲル全体として接着力を示した。さらに、C2C12細胞ゲルを細断し、ゲル断片を容器内でまとめて培養すると、断片同士は自発的に接着して傷口は修復され、ひと塊のゲルを復元したことより、細胞ゲルは生体組織と同様な機構で自己治癒機能を発現し、まさに「生きているゲル」として振舞うことが示された。
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