研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ラマンタグを導入した一連のキサンテン誘導体を合成し、ラマン信号強度を制御するために必要な化学構造要因を探索した。その結果、色素構造や置換基により、ラマン信号強度やラマンシフト値が大きく変化することを見出し、さらにこれまでに培ってきた蛍光プローブの設計原理を拡張することで、生体分子との反応前後でラマン信号強度が変化するラマンプローブの設計指針を得た。今後本知見を活用することで、全く新たなラマンイメージングプローブの開発が進むと期待される。
ケミカルバイオロジー
ラマン顕微法は、共鳴誘導ラマン散乱顕微法をはじめとした検出系の高感度化によって近年急速に生体適合性が拡大され、また、蛍光法と比較して多重検出に秀でた手法として注目を集めている。従来のラマンプローブでは、生きた生物試料中の動的な生命活動を可視化することは難しかったが、本研究において生体内分子との応答性を示す機能性ラマンプローブの設計指針を得ることができたため、今後本成果に基づき開発する新たなラマンイメージングプローブを用いることで、医学・薬学・生物学に画期的な進展をもたらすと期待される。