研究課題/領域番号 |
19K22253
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄太 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (00827743)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | タンパク質デザイン / 超分子集合体 / タンパク質工学 / 機能性バイオマテリアル |
研究実績の概要 |
本研究は、タンパク質の機能や構造を人工的にデザインしコントロールすることで、ライフサイエンス・バイオテクノロジー分野において活躍する「必要なとき、必要な機能を自発的に発動することができるバイオナノロボット」の創成を最終的な目標としている。その足がかりとなる本萌芽研究では、「シンプルなデザインによる人工タンパク質集合体」へ「天然タンパク質由来の機能性」を取り入れることで、人工的に機能制御可能とする「機能性を有したタンパク質集合体(機能性バイオマテリアル)」の創成を目指している。本年度はまず、初年度にて作製した基盤となるタンパク質での一次元集合体の解析を電子顕微鏡および原子感力顕微鏡により観察を行なった。その結果、想定していた集合体の形成とは至っていないことが明らかとなった。そのため、基盤となるタンパク質の改変となるデザインを取り入れ、それらの遺伝子の構築、大腸菌による発現系の構築を行なった。得られたタンパク質の精製を行なった後、それらを用いたタンパク質集合体の形成確認を、Native Gel、サイズ排除クロマトグラフィーおよび上記同様の機器を使用して検討を行なった。その結果、新たなデザインにおいては想定している集合体の形成を示唆する実験結果を得ることができた。このデザインの更なる改良と平行し、機能性を有したタンパク質の構築も新たなデザインをベースとして行なっており、作製したのち、集合体形成に取り入れることで目標としている「機能性を有したタンパク質集合体」の構築、そしてその構造変化の詳細な解析へとつなげていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はじめより、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言などに伴い、実験が通常通り実施できない期間が生じてしまった。さらに、この影響により、共通利用機器の使用も停止してしまっていた期間があったことから、研究を想定していた環境下で推進することが困難となってしまった。これらの理由より、予定よりも研究の進捗が遅れてしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、昨年度に作製した集合体形成を基盤とし、更なる改良および機能を有するパーツを取り入れることで、本研究の目標である「機能性を有したタンパク質集合体」の構築を行い、人工制御可能な機能である構造変化の解析を行う。また、作製している一次元集合体をベースとし、さらなる高次元・高機能化を目指し研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費としての支出を検討していたが、今年度の状況(コロナ禍)を鑑み雇用を先延ばしたため。
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