テトロドトキシン(TTX)は、海洋ではフグ、カニ、タコなどに存在し、起源生物は細菌としているが、どこでTTXが生産されるのか、なぜ広範な生物が毒化するのか不明で、生合成遺伝子も未解明である。本研究では、海底土壌1サンプルからTTXを同定した。また、海底付近の微小生物のDNA網羅的解析を実施した。さらに、海水中に吊るして養殖したホタテガイを分析し、微量のTTXを国内で初めてLCMSで同定した。TTX濃度は食品衛生的に問題のないレベルであった。TTXは8月-10月にかけてピークを示し、3年間繰り返された。ホタテガイから検出されたTTXは麻痺性貝毒生産渦鞭毛藻に起因しないと考えられた。
|