ミトコンドリアは酸化的リン酸化によってATPを生産するが、酸化的リン酸化に不可避の副産物として活性酸素を発生させ、様々な疾病や老化の亢進に関与する。活性酸素の発生メカニズムとしては、コハク酸の過剰な蓄積に起因するNADH-キノン酸化還元酵素(複合体-I)の逆反応であるキノール酸化の過程で、セミキノンラジカル中間体から酸素分子に電子がリークするためと考えられている。S1QEL類をシーズ化合物とすることによって、「複合体-Iの逆反応のみを阻害して、ミトコンドリアの機能を撹乱することなく、活性酸素発生を根元から断つことのできる化合物」を創製することを本研究の目的とする。
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