超高齢社会を迎えた我が国において、健康寿命の延伸の実現は重要課題の一つである。寿命制御機構の解明は、老化に伴うがんや代謝疾患、神経変性疾患など加齢性疾患の発症メカニズムの解明のみならず、それら疾患の予防・遅延を介した健康寿命の延伸に貢献することが期待される。最近の研究から、栄養状態、腸内細菌叢などの環境因子が原因で生じた特定の代謝産物が、寿命制御のシグナル分子として機能する例が見出されてきた。約、200種類の代謝産物を用いて、出芽酵母の寿命延長に資する代謝産物を網羅的にスクリーニングし、酵母の細胞寿命を延長した代謝産物を14種類同定することに成功した。また、多細胞モデル・線虫も本研究に用いた。
|