研究課題/領域番号 |
19K22286
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
堀内 浩幸 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (80243608)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | ゲノム編集 / ニワトリ / ノックイン |
研究実績の概要 |
1)ニワトリオボアルブミンの開始コドンと終止コドンを標的としたTALEN-PITchベクターを構築し,SSA assay並びにCel-1 assayにより標的領域を切断することを確認した。またノックイン遺伝子として抗体遺伝子ではなく,再生医療の材料として必須でかつ多量に必要なヒト線維芽細胞増殖因子(FGF2)に変更し,ノックインベクターを構築した。 2)これに先駆けて,ヒトFGF2の導入領域を特定し,in vitroでの活性試験から,ノックインベクターに分泌用シグナル配列の付加は不要であることを突き止めた。 3)ニワトリにおけるゲノム編集の標的細胞である始原生殖細胞(PGC)の培養方法の改変に成功した。これにより,将来応用展開を図る際に障壁となるゲノム編集ツールの特許を回避できる可能性が出てきた。すなわちノックインを,ゲノム編集ツールを使わずに細胞内で自然に起こる相同遺伝子組換え(HR)を利用する手法である。そこで,HR用のベクターを作製した。 4)作出したPITchベクターとHRベクターを用いて,PGCへのノックインを行なった。 5)オボアルブミンの遺伝子座に有用タンパク質遺伝子をノックインする際に,N末側に連結するかC末側に連結するか,最終的な鶏卵で発現量に影響がでることが予想される。そこでこれをin vitroで事前に確認できるように,オボアルブミン分泌細胞を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベクターの作製からPGCへのノックインまで順調に進展している。また当初の予定以外にも,PGCの培養方法の改変,HR法の導入,オボアルブミン分泌細胞の樹立など今後問題となり得る部分の対処も初年度に実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
1)ヒトFGF2をノックインしたPGCをクローニングし,初期胚への移植から生殖細胞キメラニワトリ(G0)を作出する。G0が性成熟した段階から,野生型との交配により,G1個体を作出する。 2)オボアルブミン分泌細胞に対して,N末連結型もしくはC末連結型ノックイン細胞を樹立し,発現効率を比較する。
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