鉄腐食反応に伴う水素発生反応を利用した低濃度水素供給システムを構築した。このシステムは添加する鉄の粒径や量を変えることで異なる水素供給速度条件で数か月間の培養が可能であった。様々な環境サンプルを微生物源とし、低濃度水素供給システムにより水素資化性のメタン生成菌、酢酸生成菌の集積培養を行った結果、一般的な高濃度水素培養で集積される微生物とは異なる水素資化性菌の集積が可能であった。集積培養物から複数種のメタン生成菌、酢酸生成菌の分離培養に成功した。そのうち、泥炭土壌から分離された2種の新規酢酸生成菌は、また高濃度水素条件では増殖しない、低水素環境に特化した微生物であった。
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