研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、環境中に存在する微生物の生存形態について、その実際を明らかにすることを目的とした。環境中のほとんどの微生物はバイオフィルムと呼ばれる集団を形成していると考えられているが、その実態は不透明だった。本研究では環境サンプル中の微生物群集を可視化解析し、細胞同士が物理的に緩くつながったコミュニティが存在する可能性を明らかにした。この知見は微生物生態における微生物の社会性、群集生態に新しい洞察を与えるものであり、さらなる詳細な研究が待たれる。
微生物学
微生物の代謝・生理機能は非常に多岐にわたり、生命誕生以来、現在までの地球環境の形成に大きな影響を与えてきたと言われている。そうした微生物の機能は、複数の微生物が集合してできるコミュニティによって発現することが多い。しかしながら環境中における微生物集団の実像はよくわかっていなかった。本研究課題は非破壊的な可視化解析を環境サンプルに実施することで、これまで集団だと捉えられてこなかった、緩いつながりを持つ微生物コミュニティの存在可能性を示すことで、微生物機能の理解と利用に寄与した。