研究課題
ジャガイモは四倍体の栄養繁殖性作物であることを反映し、トマトなど他のナス科野菜のようには育種が進んでおらず、’男爵’のように100年以上前の品種が未だに多く生産されているのが現状である。二倍体ジャガイモの自家不和合性を打破して純系を育成して、他のナス科野菜のようなF1育種体系を確立し、画期的な新品種を生み出すことが強く求められている。しかしながら自家不和合性(S)遺伝子座は動原体近傍の組換え抑制領域に座乗するため、S遺伝子を破壊して自家和合性ジャガイモを作出すると、S遺伝子近傍に有害遺伝子が存在した場合、派生系統すべてが有害遺伝子を持つという不都合が予想された。本研究ではS遺伝子以外の遺伝子のゲノム編集によって二倍体ジャガイモの自家不和合性打破を試みた。代表者がナス科ペチュニアで見出した新規の自家不和合性非S因子のジャガイモホモログに着目し、そのゲノム編集を試みた。アグロバクテリウム法でゲノム編集ツール(CRISPR/Cas9)を導入し、標的遺伝子がバイアレリックな形でゲノム編集されていることが確認された形質転換二倍体ジャガイモを複数系統得ることができた。ジャガイモは開花制御が容易ではないが、今後自家不和合性表現型の解析を進める予定である。
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Plos One
巻: 17 ページ: e0279432
10.1371/journal.pone.0279432
Euphytica
巻: 218 ページ: 120
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