研究課題
挑戦的研究(萌芽)
Methylobacterium属に代表されるメタノール資化性細菌(C1細菌)は葉面微生物の優占種であり、植物生長促進効果をもつことが知られている。本研究では、葉面C1細菌の植物定着能、葉面での優占化、種間特異性、植物生長促進効果などのC1細菌-植物間相互作用の分子機構を解明するとともに、その製造工程で多大なエネルギーを消費する化学肥料の使用量を低減しながらも作物増産を可能にする、葉面C1細菌を用いた環境保全型新規栽培技術への活用を目指し、菌株や接種方法の最適化や作物増収効果の検証を行った。
応用微生物学
C1細菌-植物間相互作用の分子機構解明については、葉面C1細菌の植物上での動態追跡手法や、各種栄養源への走化性の評価方法を確立できた。これらの解析手法を用いて、C1細菌の生育特性や葉面定着能を評価できることがわかった。本研究で得られた成果は、自然界における植物-微生物相互作用機構のさらなる理解につながるだけでなく、葉面C1細菌を用いた新規栽培技術開発のための基盤的知見となるものである。