ミカンハダニから検出された一本鎖のRNAウイルスの塩基配列を決定し、その増減に対するハダニの寄主植物並びに紫外線の影響を調べた。塩基配列からこのウイルスは中国で報告されたピコルナ様ウイルスの一系統(Hubei picorna-like virus 79 strain)と同一もしくは近縁種であることが分かった。また、このウイルスはハダニがカンキツを摂食することによりハダニ体内で増殖し、一方紫外線UV-Bの照射により顕著に減少することが分かった。しかし、ウイルスの増加によるハダニの生存・繁殖へのコストは検出されず、共生的であると考えられた。
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