殺ハマダラカ活性を持つヴェノムのスクリーニングの結果、電位依存性ナトリウムチャネルオープナーのサソリ由来毒素Tf2の同定に成功した。次に我々はTf2遺伝子導入組換えマラリア原虫の作出に成功した。Tf2発現マラリア原虫の殺ハマダラカ活性は当初の我々の期待を満たすものでは無かった。しかしながら、Tf2発現マラリア原虫はスポロゾイト形成能を持つがマウスへの感染性を欠損し、この原虫は100%の感染防御免疫をマウスに誘導することが確認された。以上の結果からヴェノム遺伝子導入原虫は新たな概念によるマラリアワクチンとして極めて有用であることが明らかとなった。
|