本研究では、発生途中のマウス受精卵の1割球における遺伝子発現を制御する実験系を開発する目的で、受精卵に導入した金ナノ粒子にレーザーを当てて特定の割球内でヒートショックを誘導し、HSP70プロモーターの下流の遺伝子を強制発現させる系を考案した。その結果、高温条件下でプロモーターが機能することと、受精卵に導入した金ナノ粒子にレーザーを照射することで、割球を加熱できることが確認できた。また、HSPプロモーターを導入した受精卵の作出効率が10-30%と低かったことからノックインマウス系統の樹立を試みたが、目的のノックインマウスを得ることはできなかった。
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