研究課題/領域番号 |
19K22381
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
長谷川 純矢 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (00533788)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | イノシトールリン脂質 / リソソーム |
研究実績の概要 |
リソソームはエンドソームやオートファゴソーム等により取り囲まれた物質が最終的に到達する場所である。そこでは加水分解酵素によりタンパク質などの生体高分子が分解される。リソソームの機能異常は、中枢神経障害を含む様々な疾患の原因となる。このように重要なオルガネラであるリソソームであるが、実はリソソーム膜がどのような因子で構成されているか、現在全く理解されていない。その理由としては、1) リソソームを高純度に単離するのが難しい、2) 単離に成功してもリソソーム内部には多くの分解物が混入しているため、リソソーム膜の純粋な構成成分の分析が困難、が挙げられる。申請者は、上記の問題点を克服する方法を見出した。本申請課題は未だ謎に満ちたリソソーム膜の構成因子を統合的に理解し、その分子基盤を解明することで疾患の治療に繋げることを目的とする。 申請者はリソソームを高い純度で分離する方法として、近年開発されたリソソームに限局するTMEM192を細胞に安定的に発現する方法を採択した。HEK293T細胞にTMEM192-HAを発現させ、その細胞抽出液をanti-HA抗体を結合したビーズで沈降した。その結果、本画分はウェスタンブロットでLAMP1などのリソソーム局在タンパク質は豊富に存在するのに対して、小胞体、ミトコンドリア、核など他のオルガネラマーカーは検出されなかった。よって申請者は、リソソームを高い純度で精製することに成功できた。今後、このリソソームを大量に精製し、どのようなリン脂質(極性基やアシル鎖の組成)が存在するのか、質量分析で解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
TMEM192を安定的に発現できる細胞株を速やかに作製し、また当初一番の難解であったリソソームを高純度に精製する方法を昨年度中に確立できたため、今年度中に当研究計画を達成できることが想定される。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要にも記載したが、申請者はリソソームを高純度に単離する方法を確立できた。今後は、イノシトールリン脂質を中心としたリン脂質の存在レベルを質量分析で解析する。また、単離したリソソームは内容物を含んでいることが想定される。その内容物を放出し、純粋な「リソソーム膜」を単離するため、低浸透圧のBufferで洗浄するなどの方法を試す。最終的には、リソソーム膜のリン脂質成分の網羅的解析を行い、今まで知られていなかったリソソーム膜の脂質組成を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度は予想より、使用する消耗品が少額であったため。今年度は研究計画通り、多くの消耗品費や旅費、さらには投稿論文にかかる費用に計上している。
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