本研究の目標は、細胞の内部でどのように機械的力が伝播するのかを明らかにすることであった。そのために、細胞内部における力学摂動と細胞表面における力学計測の2つを同時に実行する新しい実験系を構築した。最終年度はこの構築した測定系を用いて、細胞にさまざまな大きさの摂動外力を加えてその応答を系統的に測定した。同一の細胞に複数回の摂動を加えたときの応答の再現性および線形性を確かめて、この新しく構築した測定系の安定性を検証した。これらのことより、研究期間全体を通じて、細胞内部における大規模な力学摂動と細胞内に印加した摂動外力が引き起こす細胞内応力分布を可視化解析することに成功したと結論した。
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