スーパーエンハンサー(SE)は、集団的な遺伝子発現制御において主要な役割を果たす領域であるとされているが実体は明らかでない。本研究では免疫B細胞の分化過程でNF-kBが核内に作る集積点をSEの実体と予想し、その形成と遺伝子発現との関わりを研究した。NF-kBの核内集積点が、BRD4蛋白質と共局在し、液-液相分離構造的性格を持つ転写開始点である可能性を明らかにし、さらに遺伝子発現との関係を詳細に解析した。NF-kB下流には共同性や発現ゆらぎの大きい遺伝子転写が見られ、中でもCD83遺伝子の転写はNF-kB集積と相関して変動し、SE形成によって制御されていることを示唆する結果が得られた。
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