研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、がんなどに関わる重要な抗原を同定するために、傷害性T細胞がターゲットとする細胞(抗原を提示している細胞)を死滅させる現象を、新しい手法で捉えることを目的とした。様々な条件を試し、最終的に、再現性の高い傷害活性を計測することができた。また、この細胞殺傷活性は、マッチするT細胞受容体と抗原の組み合わせに特異的であることを示すことができた。この成果は、生物学的に重要な抗原を同定することにチャレンジする機会につながり、萌芽的な研究の成果を得られたと考えている。
生物物理学
免疫反応における抗原を同定することは、科学的だけでなく医療応用的にも重要であり、例えば、がんの撲滅へ向けた免疫治療に有効だと考えられている。本研究では、効率よく抗原を同定するために、これまでのアプローチの課題の一つを解消するための基礎技術の開発を行い、基礎的であるが重要な成果を得ることができた。本研究の成果は、今後、応用研究へ展開できる機会を得ることにつながる。ここで開発した基礎技術は、がん以外の治療に応用できる可能性もある。