研究課題
挑戦的研究(萌芽)
Post-traumatic stress disorder (PTSD)は強烈なショックやストレスにより引き起こされる障害で、罹患率は5-8%に上る。従って、PTSDは日常生活に困難を引き起こし、時には犯罪を誘発することから大きな社会問題となっている。しかしながら、これまでにPTSDの原因として記憶想起メカニズムの異常が提唱されているものの、その分子機構はほとんど不明なままであった。本研究ではPTSD発症の原因に分子的に迫り、その解明の端緒となる結果を得た。
神経幹細胞
PTSDを罹患すると一般的な環境とPTSDの原因となった特定の状況を過剰に関連付けてしまい、安全な状況下でも恐怖を感じるようになる。例えば火事を原因とするPTSD患者は焚火と火事の匂いについて火の規模や危険性などの「差別化」が出来ず、焚火に必要以上の恐怖を感じることになる。本研究はこのような問題の解決の糸口を見出す重要な研究である。