研究課題/領域番号 |
19K22420
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山口 正晃 金沢大学, 生命理工学系, 教授 (60182458)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | 棘皮動物 / 成体原基 / ボディープラン / FGFシグナリング / 放射線/歩帯 / ヨツアナカシパン |
研究成果の概要 |
棘皮動物は左右相称動物に属すが、幼生内に成体原基を形成し、五放射の成体へと変態する。しかし、成体原基形成の分子メカニズムはほとんど分かっていない。 CRISPR/Cas9システムを用いてfgf8/17/18とfgfaをノックアウトしたウニ幼生の成体原基の表現型を解析し、以下のことを明らかにした。(1)羊膜外胚葉で自律的に発現するfgf8/17/18が原腸から水腔中胚葉を誘導し、水腔からの放射水管伸長とそれを覆う歩帯外胚葉特異化を調節している。(2)fgf8/17/18は水腔fgfaを誘導するが、放射線(歩帯)の確立は、fgf8/17/18下流にある未同定のシグナルによって調節されるらしい。
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自由記述の分野 |
進化発生学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
棘皮動物の特異な体制の進化は未だに動物学の謎として残っている。その五放射体制は幼生の成体原基のなかで作られる。しかし、成体原基形成の分子機構はほとんど不明であった。 成体原基形成は、羊膜外胚葉が水腔中胚葉と接触することから始まる。本研究は、羊膜外胚葉で自律的に発現するfgf8/17/18が原腸から水腔中胚葉を誘導することを初めて明らかにしたことに学術的な意義がある。さらに、fgf8/17/18は水腔からの放射水管伸長とそれを覆う歩帯外胚葉の特異化をも調節しているので、ウニの成体原基形成遺伝子調節ネットワークのトップであると考えられる。他の棘皮動物における成体原基形成機構との比較が待たれる。
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