研究成果の概要 |
発生中の生体が様々な撹乱に対処する過程で、発生プロセスに遅れが生じることがある。しかしながら、個体の発生遅延を補正して正常な組織形成を行う仕組みはいまだ不明である。我々は、幼虫期に顕著な発生遅延を示すショウジョウバエMinute変異体を起点とした解析を行なった結果、ショウジョウバエ幼虫が成長遅延を起こした際に、その遅延を補正する細胞集団挙動「細胞ターンオーバー」が翅原基で誘発されること、およびこの細胞ターンオーバーが成虫翅の表現型を制約する上で重要な役割を果たしていることを明らかにした(Akai, Ohsawa et al, PLoS Genetics, 2021)。
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