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2021 年度 実績報告書

脳による時間符号化研究の新機軸

研究課題

研究課題/領域番号 19K22425
研究機関大阪大学

研究代表者

志賀 向子  大阪大学, 理学研究科, 教授 (90254383)

研究分担者 濱中 良隆  大阪大学, 理学研究科, 助教 (10647572)
長谷部 政治  大阪大学, 理学研究科, 助教 (40802822)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワード光周性 / 概倍日リズム / ナミニクバエ / オオクロコガネ / 時計遺伝子 / PTTH
研究実績の概要

(時計ネットワークの同定)ナミニクバエ 環状腺からのバックフィルにより染色側とは反対側に染色される細胞をPTTH細胞として個別に回収しnested-PCRを実施した。その結果、グルタミン酸作動性Clチャネルが75%、sNPF受容体が45%、PDF受容体が30%の細胞に発現していた。グリシン受容体の発現は認められなかった。他種ハエのsLNvの伝達物質として知られているPDFとsNPFの受容体発現が一部に見られたことから、PTTH細胞はsLNvの入力を受けている可能性がある。ただし、発現率が少なかったことから、sLNvは他の伝達物質を用いている、あるいはsLNvから介在ニューロンを介してPTTH細胞へ連絡している可能性もある。オオクロコガネ 時計遺伝子periodのin situ hybridization により、視葉メダラ基部に細胞塊が染色された。これは、これまでに他種でPERIOD免疫陽性細胞が見られる解剖学的位置と一致した。

(日数経過に伴う変化の探索)ナミニクバエ sLNvが前大脳背側に投射する軸索末端の複雑性が光周期によって変化するかをバリコシティの数で比較する実験を行った。産仔後5日間、短日または長日を経験させた後、幼虫を4時間毎にサンプリングし、sLNvをPDF免疫組織化学により染色した。現在、データ解析中である。オオクロコガネ 脳のRNA-seqにより、時計遺伝子の発現を調べたところ、明暗、恒暗条件ともに約24時間周期で振動する遺伝子と、約48時間周期で振動する遺伝子が存在した。これより、時計遺伝子の一部が二日周期の発振に関与する可能性がある。

(時計遺伝子機能抑制の計数機構に対する影響の解析)オオクロコガネ 時計遺伝子二種類のRNA干渉実験を行った。まだ例数は少ないが、いずれの遺伝子においても、地上への出現行動に見られる自由継続周期が対照実験に比べ短くなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] クロコガネ属の活動に見られる二日リズム2022

    • 著者名/発表者名
      志賀向子、渡邉耕平
    • 雑誌名

      日本の科学者

      巻: 57 ページ: 144-149

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phylogenetic Separation of Holotrichia Species (Insecta, Coleoptera, Scarabaeidae) Exhibiting Circadian Rhythm and Circa‘bi’dian Rhythm2022

    • 著者名/発表者名
      Sakiko Shiga, Yuzuru Omura, Yuta Kawasaki, Kohei Watanabe
    • 雑誌名

      Zoological Science

      巻: 39 ページ: -

    • DOI

      10.2108/zs210091

    • 査読あり
  • [学会発表] RNA-sequencing によるオオクロコガネの脳における概日リズム および概倍日リズムの解析2022

    • 著者名/発表者名
      水谷 瑞穂, 渡邊 耕平, 志賀 向子
    • 学会等名
      第65回日本応用動物昆虫学会大会
  • [学会発表] The Bolwig organ and its role in the photoperiodic response of the flesh fly Sarcophaga similis larvae2022

    • 著者名/発表者名
      Kazune Hirata, Sakiko Shiga
    • 学会等名
      第 66 回日本応用動物昆虫学会大会
  • [学会発表] オオクロコガネにおける時計遺伝子の発現リズム2021

    • 著者名/発表者名
      水谷 瑞穂, 渡邊 耕平, 志賀 向子
    • 学会等名
      日本動物学会 第92回 オンライン米子大会
  • [学会発表] キイロショウジョウバエ概日時計ニューロンsLNv の軸索終末部 における光周期依存的な構造変化2021

    • 著者名/発表者名
      大野響, 志賀向子, 濵中良隆
    • 学会等名
      2021年 日本動物学会近畿支部春季研究発表会
  • [学会発表] 概倍日リズムを持つオオクロコガネが示す概日リズム2021

    • 著者名/発表者名
      太田暉也, 志賀向子
    • 学会等名
      2021年 日本動物学会近畿支部春季研究発表会

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公開日: 2022-12-28  

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