研究課題/領域番号 |
19K22434
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
平山 隆志 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (10228819)
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研究分担者 |
持田 恵一 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (90387960)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | 短鎖機能性ペプチド / sORF / ribo-seq / AI / ミナトカモジグサ |
研究実績の概要 |
本課題研究は、イネ科のモデル植物であるミナトカモジグサ Brachypodium distachyonを対象に綿密にribo-seqを行うことで、翻訳されている短鎖ペプチド遺伝子を網羅的に収集し、プロトプラストを用いた一過的発現系を用いての機能推定と、取得した遺伝子情報と機能情報から、ゲノムから機能性ペプチドを探索する人工知能の作成を行う。本年度は、本研究の課題である、網羅的なリボゾーム結合RNAの探索のための準備とサンプル取得をおこなった。イネ科のモデル植物であるミナトカモジグサ Brachypodium distachyon Bd-21株を、合計400株程度を、MSプレート上で生育し、葉を取得した。これを研究計画通り、イネを対象にしたribo-seqの研究実績が豊富な中国農業科学院深セン農業ゲノム研究所の李教授 (Li, Shengben)に送付し(共同研究同意済み)、まずribo-seqの条件検討を行うことになった。しかし、中国において植物サンプルの検疫が非常に厳しくなったことと、新型コロナウイルスによる中国国内の混乱により、これらのサンプルを送付する目処が立たなくなった。そこで、様々な生物を対象にribo-seqを実験を行い精力的に研究を進められている理化学研究所中央研究所の岩崎信太郎博士に協力を依頼し、共同研究としてミナトカモジグサ のribo-seq実験を共同で行うことになった。ただし、生育条件については変更する必要ができたため、新たにミナトカモジグサを生育し、経時的にサンプルを取得した。国内の新型コロナウイルス対応のため、実験は行うことができず、サンプルを超低温で保存している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Ribo-seq実験用のミナトカモジグサのサンプルは取得したものの、中国において検疫審査上の問題が起きたことに加え、新型コロナウイルスによる中国国内および本国内の問題により、当初予定していた中国農業科学院深セン農業ゲノム研究所の李教授によるribo-seq解析の見通しが立たなくなったことが主な理由である。そこで、植物を対象にした解析を専門とはしていないが、多くの生物を対象にした豊富なribo-seq解析の実績を持つ理化学研究所の岩崎主任研究員に、解析のサポートを依頼し共同研究として今後ミナトカモジグサのribo-seq解析を進めることになった。岩崎博士の研究にも合致した新たな生育条件を設定し、ミナトカモジグサのサンプルを調整した。次年度、岩崎博士の研究室で確立した手法を用いて速やかにribo-seq解析を行う予定である。得られた結果をもとに研究計画に従って研究を遂行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
取得した新たなミナトカモジグサのサンプルを用い、岩崎博士の研究室のサポートをいただき、ribo-seq解析を行う。得られたデータに基づき、短鎖ペプチド遺伝子を網羅的に収集する。新規短鎖ペプチドをミナトカモジグサのプロトプラストで発現させ全RNAを抽出し、RNA-seq解析を行いペプチド発現の遺伝子発現に及ぼす影響から、ペプチドの機能推定を行う。遺伝子の構造情報、推定された機能から、ゲノム情報から人工知能を用いて、機能性ペプチドを探索する手法の確立を行う。
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