研究実績の概要 |
これまでの研究により単離した候補微生物約150のうち巨大ウイルスを含む巨大核質DNAウイルス(NCLDV)に分類される20種については、ミミウイルス科新規クレードと、新規パンドラウイルス1種について完全ゲノムの決定を目指して研究を進めていたが、技術的困難により進捗が遅れていた。この内、前年度までに得ていたショートリード配列が低品質であることが判明した、ミミウイルス科新規クレードウイルスの5株(P64, P86, P73, P84, PS14)について、前年度までに確立した高品質な高分子ゲノムDNAを分離する方法によりゲノムDNAを単離し、再シーケンスを行った。前年度までに得ていたロングリード配列とあわせて完全ゲノムを決定したところ、全てが長大な末端配列(約285kbp) を持つ、全長約1.6Mbpの線状ゲノム構造を持つことが示唆された。系統解析の結果、Imitervirales目クレードIM_14に属する新規クレードを構成することを明らかにした。IM_14に属する他のウイルスゲノムは全てメタゲノム解析から得られたものであり、単離されたウイルスとしては初めてのものと考えられる。
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