| 研究課題/領域番号 |
19K22458
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
細川 貴弘 九州大学, 理学研究院, 助教 (80722206)
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| 研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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| キーワード | 共生 / カメムシ / 細菌 / 野外集団 / 相利共生 |
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| 研究実績の概要 |
共生微生物なしでは成長や繁殖ができない昆虫は多い。共生微生物におけるゲノム進化と多様化のメカニズムとして、「弱有害突然変異の蓄積 ・ゲノムサイズの縮小」と「置換」がそれぞれ知られている。しかしこれまでの知見は分子進化解析・ゲノム解析・分子系統解析からの推測で あり、野外集団の追跡調査による直接的な証拠はなかった。本研究では、10年前に調査したチャバネアオカメムシの野外集団について再調査を おこなうことによって、共生微生物におけるゲノム進化と多様化を野外集団で実証することを試みる。
生存に共生微生物が必須である昆虫は多い。必須共生微生物のユニークな点は、宿主のメス親から子へ伝えられる垂直伝播が広く一般的に見られることである。垂直伝播ではメス親が持つ共生微生物のごく一部だけが子に伝えられるので、共生微生物集団に強いボトルネック効果が繰り返しはたらき、共生微生物のゲノムにおける弱有害突然変異の蓄積とサイズの縮小が促進されたと考えられている。一方、垂直伝播によって維持されている共生微生物がまったく別の微生物にすり替わる「置換」の報告も少なくない。これらの二つは共生微生物におけるゲノム進化と多様化の主要メカニズムと考えられているが、これまでの知見は分子進化解析・ゲノム解析・分子系統解析からの推測であり、野外集団の追跡調査による直接的な証拠はなかった。本研究の目的は、共生微生物における弱有害突然変異の蓄積・ゲノム縮小・置換を野外集団の追跡調査によって実証することである。
2019年度は沖縄本島、石垣島、宮古島においてチャバネアオカメムシのサンプリングをおこない、それらの共生細菌のタイピングおよび培養の可否の調査をおこなった。沖縄本島では十分なサンプルが得られたが石垣島と宮古島については今後さらにサンプル数を増やす必要がある。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた３島でのサンプリング・調査をおこなうことができた。ただし天候の問題で一部サンプル数が不足している。
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| 今後の研究の推進方策 |
昨年サンプル数が不十分だった石垣島と宮古島でサンプリングを補足し、さらに屋久島および与那国島でのサンプリング・調査ををおこなう。また細菌のゲノム解析にむけてシークエンス用のDNAの調整を進める。
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