脳動脈は非常にゆっくりした周期(<0.1Hz)で収縮・拡張を繰り返す血管運動を行っている。この血管運動の生成メカニズムを明らかにするために薬理学的スクリーニングを行い、神経伝達物質であるヒスタミンの関与を見出した。中枢ヒスタミン神経細胞は血管運動と同期してその活動を上下させ、ヒスタミンを合成できない動物では血管運動が喪失していることからヒスタミン神経系は血管運動をドライブするペースメーカーとして機能していると考えられた。さらに血管運動に異常が生じる動物では脳脊髄液の移動が停滞していることから、infra-slow脳血管運動は脳脊髄液の循環に重要な役割を果たしていると示唆された。
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