高齢化社会の進行に伴い、認知症の罹患者数の増加が続いている。これを解決すべく代表者は、患者で観察される変異型Tauを発現するショウジョウバエを作成し、このハエがタウオパチーの典型的な所見の神経細胞死やそれに伴う生存率の低下を示すことを見出した。次に代表者は、このハエの遺伝学スクリーニングにより、上記形質を抑制するキナーゼ遺伝子変異を同定した。これらのキナーゼはタウオパチーを促進する機能を持つ新規治療標的と考えられる。そこでこれらを阻害する化合物をこのハエに投与したところ、この化合物は上記形質を抑制することが分かった。以上の結果は、認知症の発生機序や新規治療法の開発に道を拓くものである。
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