活性分子種と脂質との関連性については、活性酸素による酸化脂質産生に関して古くから解析されてきた一方で、非古典的な活性分子種(活性イオウや活性窒素等)による生体内での脂質修飾や代謝制御に関する知見そのものが乏しいことから、本研究では、“非古典的な活性分子種による生体内脂質の変換反応とその病態生理学的作用”という新しい概念の提示が可能である。さらに、従来は「外来性の毒性物質」と考えられてきたトランス脂肪酸について、「内因性の疾患リスク因子」としての新規作用が見出されたことから、本研究の更なる進展によって、新規疾患マーカーとしての利用や関連疾患の新たな予防・治療法の提案に繋がる。
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