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2020 年度 実績報告書

発生から老化を操るエピトランスクリプトミクス制御の提唱

研究課題

研究課題/領域番号 19K22497
研究機関大阪大学

研究代表者

辻川 和丈  大阪大学, 薬学研究科, 教授 (10207376)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワード5-hydroxymethylcytosine / TET / 発生 / 成長 / 老化 / エピトランスクリプトミクス
研究実績の概要

昨年度の検討で脳、肺、腎臓、脾臓や肝臓等の臓器で週齢に伴いsまllRNA画分(tRNA)において5-hydroxymethylcytosine (hm5C)の発現レベルが顕著に低下することが分かった。そこで本年度はまずiPS細胞の肝細胞分化系を用いて、hm5Cの発現変化を調べた。その結果、iPS細胞や内胚葉細胞、肝幹前駆細胞まではhm5Cは有意に増加したが、肝細胞へと分化させた場合では増加は認められなかった。よって細胞の分化とhm5Cとの関連性が示唆された。マウスの胚発生時期にはhm5Cレベルが上昇するが、出生後週齢にともなう定価との相関性が注目された。
そこで次にRNAのhm5C制御分子に関して解析を行った。DNAではcytosineはDNMTによりメチル化さら5-methylcytosineになり、その後TenーEleven Translocation (TET)によりhm5Cへと触媒されることが知られている。そこでRNAのhm5C制御においてもTETの関連が示唆された。そこでマウス発生過程におけるTetの発現との関連性を調べた。その結果Tet1の発現とhm5Cレベルが類似した変化を示すことが認められた。またマウス成長に伴う臓器のhm5CとTetとの関連性の検討でもTet発現との強い正の相関を認めた。さらにヒト線維芽細胞の細胞老化との関係においてもhm5CレベルとTETとの正の相関が確認された。In vitroにおいてTETはRNAのm5Cをhm5Cへと制御することも明らかとした。さらにTETにより制御されるtRNA画分のhm5Cレベル上昇はタンパク質翻訳効率の増加と関係することが示された。
以上の結果より、RNA中のcytosineのTETによるhydroxymethyl化は各生命過程に重要な役割を果たしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 膠芽腫の悪性化プログラムにおけるエピトランスクリプトミクス制御2021

    • 著者名/発表者名
      名取香奈子、周尓東、北惠郁緒里、上田裕子、長谷拓明、神宮司健太郎、古川龍彦、比嘉那優大、吉本幸司、辻川和丈
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会
  • [備考] RNAエピジェネティクス

    • URL

      https://sites.google.com/site/xibaoshengli/home/yan-jiu/rnaepijenetikusu

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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