パーキンソン病や糖尿病の発症には小胞体ストレスが介在していることが明らかとなっている.一方で,一酸化窒素はセンサータンパク質であるIRE1に結合することで,本来は抗細胞死に関わる経路を遮断することでより脆弱にさせることを証明してきた.そこで,この経路を回復させるような化合物の作出は病態発症を軽減する可能性があると考えた.スクリーニングから有力な候補化合物を単離することに成功した.これらは酵素活性を阻害することなく,NOによる修飾のみを抑制することがわかった.今後,動物モデルに適用してその効力を検討することで,新規作用メカニズムを有した治療薬開発に有益な情報をもたらすと推定される.
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