ATP量を感受してFRETを起こす蛍光タンパクセンサーであるATeamにミトコンドリア移行シグナルを付加することにより、ミトコンドリアマトリックス内に局在させるような構築で、マウス生体内にてコンディショナルに発現させるシステムに、タモキシフェン投与により誘導的に全身の全細胞でCreを核内へ移行させるシステムを交配させることで、マウス全身・全臓器・全細胞のミトコンドリア内でATeamセンサータンパクが局在するマウスを構築した。タモシキフェンを5日間連続で腹腔内投与して1週間後に腹腔内臓器のATPイメージングを試みたが、タモシキフェン溶解に利用したサンフラワーオイルがATPイメージングに利用する蛍光波長域のバックグランドとなり、正確なATP計測が難しかった。そこで、タモシキフェンを経口投与しして腹腔内臓器のATPイメージングを試みた。しかし、ATeam由来の十分な蛍光輝度を得ることができなかった。その原因の一つとして、経口投与では十分な血中タモキシフェン濃度にならず、Creタンパクが核内移行していない可能性が推測された。現在、タモシキフェンの濃度と投与方法を検討することで、ATPイメージング可能な方法・投与量を検討している。
|