研究実績の概要 |
本年度は薬剤添加依存的にRomanescoを発現させるES細胞及びiPS細胞株の樹立を行った。複数の安定発現株樹立法を比較し条件検討を行った結果、PiggyBacというトランスポゾンを用いた安定発現株樹立法がES, iPS細胞では最も効率が良いことを見出した。結果、ドキシサイクリンの添加依存的にRomanescoを発現させる株の樹立に成功した。 また、遺伝子発現抑制法の条件検討を行った。複数の遺伝子ノックアウト、ノックダウン法を比較検討した結果、レンチウイルスを用いてmiRNAを発現させることでノックダウンを実行する方法が最も効率が良いことを見出した。 加えて蛍光RNAイメージングに用いる顕微鏡法の比較検討を行った。STED, Airyscan, Spinning Disc共焦点顕微鏡法による蛍光RNAイメージングを比較した結果、AiryScanを用いた蛍光RNAイメージングが最も感度良く蛍光イメージング可能であることを見出した。 また、ES細胞やiPS細胞など多能性幹細胞におけるG4形成タンパク質の同定にトラブルが生じた場合に備え、その他の細胞種におけるスクリーニングの準備を進めた。具体的には、HEK293T細胞、DT40細胞においてRomanescoを安定発現する株の樹立を行った。さらにマウス初代培養神経細胞においてRomanescoを発現させる手法を検討し、アデノ随伴ウイルスを用いた発現が最も適していることを見出した。
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