研究課題
免疫システムの恒常性や免疫応答の根幹を担うリンパ節などの二次リンパ器官は、免疫細胞が活発に移動しながら非常に複雑な多細胞間相互作用が進むダイナミックな臓器である。これらの臓器では免疫細胞の挙動が時空間的に厳密に統制される必要があると考えられるが、その包括的な理解は進んでいない。このような組織動態を詳しく理解するためには、組織中の各細胞の位置情報を保ちつつ、個々の状態を解析する技術的な飛躍が不可欠である。本研究では、リンパ節の組織スライスおよび生体イメージングと極小組織細断/微量吸引法などを組み合わせ、組織微小領域から生細胞を連続回収し、広域空間の情報を網羅的に解析するシステムの構築を目指していた。しかし、リンパ節組織が予想以上に柔軟かつ伸縮性に富んでいたことから、当初想定していた方法が困難であることが明らかとなった。今年度も、マウスのリンパ節から組織スライスを作成し、組織領域の細胞集団を効率的に回収する手法の構築を継続した。その結果、組織スライスの上下を樹脂薄層フィルムで覆い、実体顕微鏡下において微小生検トレパンを用いて円形に打ち抜くことにより、安定してリンパ節の微小領域の組織片を回収する手法を確立した。また、微小組織片をコラゲーナーゼおよびDNアーゼにより消化し、細胞を単離することに成功したほか、細胞を蛍光抗体染色した後にフローサイトメトリー解析を行い、組織領域によって予想どおりの免疫細胞サブセットの比率となっていることを確認した。
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https://www.med.niigata-u.ac.jp/zoo/welcome.html