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2019 年度 実施状況報告書

ライソゾーム病酵素補充療法後の中和抗体産生B細胞の特異的排除法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K22540
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

五條 理志  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90316745)

研究分担者 星野 温  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50737210)
上 大介  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80415588)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワードCAR T / 中和抗体 / ライソゾーム病 / Electroporation / mRNA
研究実績の概要

当初の予定通り、細胞を用いてGLA酵素(alpha-galactosidase)とキメラレセプター(TM, CD28, 4-1BB, CD3zeta)結合させたBARキメラタンパク質を発現させたBAR細胞の作製を試みた。
このBARタンパク質配列を設計し、mRNAを合成した。このmRNAを細胞に導入し、細胞内での発現をウェスタンブロッティング法にて確認した。しかしながら、タンパク質発現は短期的には確認できたものの、長期間の発現維持が困難であった。mRNAの不安定性からこの結果になったと考え、BARキメラタンパク質を発現させるレトロウイルスベクターを再設計した。またGLAのシグナル配列(1-31aa)はBAR遺伝子に適していない可能性が高い。これはGLAがライソゾーム酵素のため、合成されたBARタンパク質が細胞内のライソゾームに局在している可能性があるためである。そこで新たにレトロウイルスベクターにGLA酵素の元来のシグナル配列(1-31)をCAR-Tで利用されているCD8由来のシグナル配列に置き換えることにした。
これとは別にBAR細胞のターゲットとなるGLA抗体を産生する細胞の樹立も試みた。このB細胞を模すため、レトロウイルスベクターにてscFV_GLAを恒常的に発現させる細胞を作製した。さらに細胞外にBARタンパク質の発現を確認するためにGLA抗体のscFVと蛍光タンパク質(mCherry)を融合させた遺伝子も設計した。このscFV_GLA-mCherryは細胞外に分泌されることはHEK293細胞を用いて確認できた。
以上のように本年はマテリアル作製を進めており、これらを用いて本系のvitroにおけるPOC確立を優先させ、その後、RNAを用いた系の構築を検討することにした。最終的にはこの系をvivoに適応させ、BARシステムの構築を完成させる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初のRNAでの適応はRNA分解が予想より早いため、細胞での実験が困難であった。そこでまずはレトロウイルスを用いてのPOCの確立を優先する。それとは別に合成RNAの安定化に必要な因子についても探索し、今後の実験に役立てていく。
現在は抗体発現細胞とBAR発現細胞の作製に必要なベクターは構築できたので、今後はBAR発現細胞を樹立する。

今後の研究の推進方策

Vitroの研究成果をもとにVivoへの適応を進めていきたい。そのためにモデルとなる細胞は樹立を進めており、ターゲットとなる抗体発現細胞と、アタッカーとなる抗原発現細胞(BAR細胞)をそれぞれ樹立している。

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公開日: 2021-01-27  

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