前立腺がんにおいて10-30%程度の頻度で起こるRB1遺伝子領域のホモ型欠失にその近傍に位置するSUCLA2遺伝子が極めて頻繁に巻き込まれることが判った。SUCLA2をノックアウトすると実際に様々な代謝脆弱性が発現した。これは治療戦略上重要なアキレス腱となり得ると考えた。SUCLA2遺伝子欠失を標的とした化合物ライブラリーのスクリーニングを行い、いくつかのヒット化合物を得た 。このうちチモキノンの研究開発に注力し、構造展開と分子標的同定を行った。また、SUCLA2遺伝子欠失の診断法の開発とバイオマーカーの探索を目指した。
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