本研究成果はヒトの女性乳がんにおけるin silico解析で、両X染色体の活性化を示唆するXistが低発現の患者の予後が不良で、両X染色体の活性化により発現亢進するBRCC3の高発現の患者の予後が不良であることが示唆された。このことは乳がんなどの女性腫瘍で両X染色体が活性化している場合は、BRCC3の発現が亢進することで相同組換え修復が低下し、変異の蓄積やゲノムの不安定性が高まり、悪性亢進の可能性が高まることが予想される。本研究成果は女性がん細胞においては、X染色体の活性化やBRCC3の発現を指標にした新たな予後予測が可能であることを示唆しており、さらに検証を進めていく予定である。
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