研究課題/領域番号 |
19K22564
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
東山 繁樹 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
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研究分担者 |
小川 敦司 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (30442940)
福田 信治 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 講師 (70398238)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | DNAアプタマー / タンパク質分解 / ユビオキチンリガーゼ / SPOP |
研究実績の概要 |
標的タンパク質として当初の変異Rasと変異EGFRから、すでに準備済みの前立腺癌特異的変異SPOP (SPOPF133V)及び血管新生制御因子CBF1に標的を変更して、これらのビオチン化リコンビナントタンパク質を小麦胚芽無細胞系で合成した。一方、30塩基長のランダム配列およびその両脇に20塩基長の固定配列(PCRプライマーの結合領域)を有する一本鎖DNA(70塩基長)のライブラリを化学合成した(約5 nmol、多様性は3×1015程度)。この一本鎖DNAのライブラリから、SPOPF133V及びCBF1に結合するDNAアプタマーを、SELEX法を10ラウンド繰り返すことにより、それぞれ5種及び15種の候補DNAアプタマー単離した。また、5種のSPOPF133V DNAアプタマーから、特異的なものは、野生型SPOPとの結合比較から、1種SPOPF133Vに特性を示すDNAアプタマーを得た。 得られたDNAアプタマーの解離定数(KD)は12 nM ~ 296 nMの範囲であった。 一方、取得したDNAアプタマーの結合パートナーであるSPOP認識ペプチドSRPをN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)活性化マレイミドと反応させて、C末端のリジン残基にマレイミド基を導入したSRP-Malを作成した。さらに、SPOP認識ペプチドSRPに変わる低分子性化合物の探索を行い、#533を取得することに成功した。SRPと#533の SPOPに対する解離定数(KD)を測定したところ、それぞれ3700 nM及び270 nMであったことから、以後、低分子性化合物#533を用いて解析を進めることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
標的タンパク質の種類を実験準備の都合上変更したが、目的とする DNAアプタマーの単離には成功し、その標的タンパク質との解離定数(KD)も期待通りのものであった。また、1アミノ酸変異を認識するDNAアプタマーの取得も可能であることが示された。さらには、DNAアプタマーの結合パートナーであるSPOPを認識するものとしてペプチドSRPを準備したが、ペプチドより汎用性の高い低分子性化合物で、ペプチドSRPより親和性が10倍以上高い化合物#533を取得することに成功した。予定以上の進捗であると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は化合物#533とDNAアプタマーを架橋し、標的とするタンパク質をCUL3-SPOPユビキチンリガーゼ複合体によりユビキチン化可能かどうか、まずインビトロで検証し、その後細胞レベルでの検証を進める。さらに標的タンパク質を拡大し、DNAアプタマーの単離・応用を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
目的とするDNAアプタマーのスクリーニングと取得が順調に進んだことから、一本鎖DNAライブラリーの合成が最低限で済んだため、物品費用での支出が抑えることができたため。標的タンパク質を増やすことから次年度に繰越使用する。
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