研究実績の概要 |
代表者は、リン酸化モチーフの進化的保存性(Conservation index:CI)が生理的重要性と関係があることを示してきた (Yoshizaki H et al. BMC genomics 2014, Gigascience 2015) 。そこでがん組織中のリン酸化モチーフ上突然変異の特徴もCIとの関係から見えてくると考え、突然変異の出現頻度とCIの相関を調べたところ高い相関が観察された。さらにリン酸化モチーフ変異の特徴を解析していくと、リン酸化モチーフ変異遺伝子のGOが、特定の機能を持った分子にエンリッチされていること、多くのリン酸化モチーフ変異がモチーフ構造を壊すようなアミノ酸に集中していることなどが明らかになり、がんにおいてリン酸化モチーフ上の変異はランダムでなく選択的に蓄積されることが示唆された。そこでこのモチーフ上変異の蓄積を指標とした突然変異の評価法を発案した。この際発見した皮膚がんでのMotif-12への突然変異の蓄積は興味深く、組織特異性、モチーフ構造をつぶす位置に入る変異、変異遺伝子のGOの偏りが顕著であった。このような報告はこれまでなく、今後、Motif-12のがん化への関与、Motif-12が皮膚がんで蓄積するメカニズムも、本スクリーニング法の一つの成果として実験的に証明していく。
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