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2020 年度 実績報告書

神経変性疾患の本態解明に向けた定量的多核MRIの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K22605
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

疋島 啓吾  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30420219)

研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワード非侵襲イメージング
研究実績の概要

本研究の目的は神経変性疾患の診断に資する新たな非侵襲イメージングを開発することである。
今年度は、正常なマウスに加え、髄鞘形成不全のShivererマウスの脊髄標本を対象に高解像度の拡散MRI実験を行い、水分子拡散を定量できる拡散変位量解析を実施した。計測にはStimulated echo法を用い、拡散時間を15~200msecと変えることで、神経組織構造における拡散時間と拡散変位量の関係を調べた。
その結果、脊髄に垂直な拡散変位量は、拡散時間の増加に伴い、軸索密度の異なる神経束間の差が大きくなった。一方で、髄鞘の有無による差は拡散時間によってほとんど変化しなかった。次に、脊髄に平行な拡散変位量は、拡散時間に関わらず、軸索密度の異なる神経束間の差を捉えることがわかった。そして、髄鞘の有無による差は、拡散時間が比較的短い場合に、大きな差として捉えることができた。
以上より、拡散MRIにおいて計測する拡散方向や拡散時間によって、得られる拡散変位量は神経組織特異的な情報を捉える可能性を秘めている。今後、データ数を増やし、詳細な検証を進めていく予定である。
今年度は所属機関の異動に伴い、当初予定していたモデルマウスのIn vivo実験の実施が困難となった。そこで、本研究目的達成のため、髄鞘形成不全モデルマウスの脊髄標本を対象としたEx vivo実験に計画を変更したが、Ex vivoにおける高精度な評価を進めたことで、予定した以上の知見を得ることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Diffusion tensor imaging of oral carcinoma: Clinical evaluation and comparison with histopathological findings2021

    • 著者名/発表者名
      Yamada Ichiro、Yohino Norio、Yokokawa Misaki、Oikawa Yu、Harada Hiroyuki、Hikishima Keigo、Kurabayashi Tohru、Saida Yukihisa、Tateishi Ukihide、Ohata Yae
    • 雑誌名

      Magnetic Resonance Imaging

      巻: 77 ページ: 99~108

    • DOI

      10.1016/j.mri.2020.12.016

    • 査読あり
  • [学会発表] 非侵襲イメージングによる全体からの視点2021

    • 著者名/発表者名
      疋島 啓吾
    • 学会等名
      第98回日本生理学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] マルチスケールデータ統合のための非侵襲全脳イメージングの開発2020

    • 著者名/発表者名
      疋島 啓吾
    • 学会等名
      第一回フィジオメレオロジー研究会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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