腎臓は発生過程で形態形成が終了した後に、成熟の過程で、多彩な機能を獲得する。形態形成のメカニズムはこれまで詳細に解析が進められてきたが、未熟な臓器がどのように機能獲得(成熟)するのかについては明らかにされていない。 本研究では、性成熟に伴い、雌マウスの腎臓において形態的変化と遺伝子発現変化が惹起されること、その変化は卵巣摘除で抑制されることを見出した。加えて、性成熟期に卵巣摘除を行った後に腎障害を惹起すると、腎障害が軽減した。以上の結果から、性成熟に伴い、腎臓は多彩な機能を獲得する一方で、疾患感受性を獲得することが明らかとなった。
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