研究課題
野生型マウスに左冠動脈結紮による梗塞後心不全モデルを作成し、左室駆出率(LVEF)の低下および左室重量の増加をきたすことを確認した。同モデルを用いて非梗塞心筋においてZBP1の蛋白発現の増加が認められた。培養心筋細胞にミトコンドリアDNAを投与すると、ZBP1の蛋白レベルとともにIL-1beta、IL-6のmRNA発現が増加した。次に、ZBP1の炎症性サイトカイン発現における役割を解明するために、培養心筋細胞にZBP1をノックダウンし、ミトコンドリアDNAを投与するとIL-1beta、IL-6のmRNA発現は抑制された。さらに、ZBP1ノックアウトマウスに梗塞後心不全モデルを作成したところ、左室収縮能が低下し、左室拡張末期径は増大した。これらの変化には組織学的に心筋細胞の肥大、間質線維化、アポトーシスの増加を伴っていた。また、ZBP1ノックアウトマウスではNF-kBのリン酸化が増加し、IIL-1beta、IL-6のmRNA発現が上昇した。、ZBP1の調整経路を明らかにするために、心筋培養細胞にオートファジー阻害薬もしくはToll-like receptor 9 (TLR9)阻害薬を投与したところ、ZBP1のタンパクレベルは低下した。ZBP-1はTLR9により発現が制御されており、また、ZBP1はNF-kB経路を介して炎症を負に制御することで、抗炎症および心筋保護的に機能することが示唆された。
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