研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では転写調節因子KLF15が糖尿病及び不動化による筋萎縮のx要な制御因子であることを明らかとした。糖尿病ではユビキチンオガーゼWWP1の発現低下がKLF15のタンパクレベルでの発現を増加させ、不動化では細胞膜カルシウムチャネルの発現低下を介したC2+シグナル減弱がKLF15の遺伝子発現を増加させ、これによって筋のタンパク異化が活性化し、筋の萎縮が生じることが明らかとなった。
代謝学
サルコペニアは加齢による骨格筋量の減少とそれに伴う活動能力の低下であり、様々な疾患の発症率を増加させ、健康寿命短縮の重要な原因となる。サルコペニアの主要な原因は加齢に伴う生理的変化であるが、糖尿病はサルコペニアの促進要因であり、不動化や身体活動の低下もサルコペニアを悪化させることが知られている。今回、糖尿病や不動化による筋萎縮のメカニズムが明らかとなったことで、サルコペニアのより良い治療法の開発に繋がる可能性がある。