抗酸菌の一つである結核菌は世界10大死因の一つに数えられ、2016年には世界中で1,040万人が結核に罹患し、170万人が結核で死亡している。抗結核薬を長期間投与することにより、結核菌を駆逐することが可能であるが、多剤耐性結核菌(MDR) や広範囲薬剤耐性結核菌(XDR)に対しては、効果を発揮しない例が増加している。最も致命的なのは、すべての抗結核薬に耐性の結核菌の将来的な蔓延である。 本研究では、耐性菌を生み出す化学療法ではなく、粘膜組織の免疫増強効果を目的とした免疫療法のプラットフォームの構築を検討することで、今後の多剤耐性菌にも対処できる治療方法の新しい方向性を示すことに成功した。
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