研究課題/領域番号 |
19K22662
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
|
研究分担者 |
中村 雅史 九州大学, 医学研究院, 教授 (30372741)
三好 圭 九州大学, 大学病院, 助教 (70755272)
山崎 章生 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80404440)
永井 俊太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (90755240)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
キーワード | 細胞周期 / 細胞周期離脱 / 細胞周期再進入 / 免疫監視構築 / 免疫治療 / 癌再発 / Hedgehogシグナル |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、細胞周期離脱癌/再進入癌作成のため、癌細胞に種々の遺伝子を導入し、細胞増殖が抑制される系を見出すための実験を行った。即ち、遺伝子の抑制系が治療として行いやすく、また分子が治療標的となるため、遺伝子抑制の実験をsiRNAを導入する系を用いて行った。種々の遺伝子抑制を行った中で、チロシン脱リン酸化酵素であるprotein tyrosine phosphatase non-receptor type 3 (PTPN3)を抑制すると、膵癌や肺神経内分泌細胞癌(肺NET)において、増殖・浸潤といった癌悪性形質誘導が抑制されることが分かった。そのメカニズムを解析するために、小細胞肺癌細胞株2種類を用いて、control-siRNAとPTPN3 siRNAを導入した細胞を用いて、DNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、PTPN3は本来、チロシンキナーゼの脱リン酸化を誘導する酵素であるが、小細胞肺癌では逆にチロシンキナーゼリン酸化を誘導して、癌悪性化を誘導していることが分かってきた。その機序に、マイクロアレイの結果から、分子Xの関与を見出し、分子Xの生物学的意義解析を始めたところである。本年度は、PTPN3-チロシンキナーゼリン酸化経路の解析を深めると共に、膵癌、肺NETにおいてPTPN3-分子Xを標的としたG0膵癌細胞および細胞周期再進入膵癌細胞の作成を行っていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
癌細胞に種々の遺伝子を導入し、細胞増殖が抑制される新たな分子を見出すことに時間を費やしたために、G0膵癌細胞および細胞周期再進入膵癌細胞の作成に至っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は、PTPN3-チロシンキナーゼリン酸化経路の解析を深めると共に、膵癌、肺NETにおいてPTPN3-分子Xを標的としたG0膵癌細胞および細胞周期再進入膵癌細胞の作成を行っていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
G0膵癌細胞および細胞周期再進入膵癌細胞の作成および、そのマイクロアレイ解析がまだできていないため、次年度使用額が生じた。本年度、G0膵癌細胞および細胞周期再進入膵癌細胞の作成のためのマウス購入や、マイクロアレイ解析、PTPN3-チロシンキナーゼリン酸化経路の解析のための抗体購入に費用をあてる予定である。
|