研究課題/領域番号 |
19K22668
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50364063)
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研究分担者 |
赤堀 宇広 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (10423922)
長井 美奈子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80646092)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | 膵癌 / 治療抵抗性 / 小分子化合物 |
研究実績の概要 |
研究代表者らは,これまでの研究からCD200が免疫抑制のみならず治療抵抗性獲得にも関与する特異な機能を有することを見出した.実際には,本研究で対象としている膵癌において,臨床検体の検討から,CD200の膵癌発現が,術前化学放射線治療によってup-regulateして,治療抵抗性に関与することを明らかとした.これらの研究結果から,従来の化学療法等の既存治療とともにCD200を阻害し,免疫チェック阻害分子であるPD-1を併用して阻害すれば,既存治療の抵抗性を克服するとともに,より強力かつ有効な癌集学的治療効果が誘導できるとの着想を得た.本研究では,CD200を阻害し得る小分子化合物を新たに探索し,PD-1抗体治療および化学放射線治療との併用によって,既存治療に対する治療抵抗性および抗体治療の限界を克服し,根治を目指した新たな膵癌集学的治療戦略の開発を行うことを目標としている.本年度は,CD200/CD200Rを標的とする小分子化合物スクリーニングの段階にあるが,候補分子の選定に難航している.予定通り,スクリーニングの候補となる分子が入手ができれば,小分子化合物のCD200機能阻害効果をスクリーニングする.具体的には,研究計画に沿って,放射線照射によってヒト膵癌細胞株(Panc-1,Capan-2)に誘導されるCD200発現を小分子化合物Xで抑制できるかを検討する.膵癌細胞株4x10^5を化合物Xとともに10%FCS含有RPMI-1640にて培養し,放射線照射(10Gy,MBR-1520R)を行い.4-7日後にFACSにてCD200発現を解析する.これにより小分子化合物から治療薬候補となるものを選択する予定である.現時点では候補分子の絞り込みが難航しているので,国内外の共同研究者らに打開策をコンサルテーションをかけ,今年度の進展を目指す予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
候補分子となる小分子化合物スクリーニングを行う前段階として,培養Assayや細胞増殖抑制実験を行なっているが,結果が一定せず,次の段階に進む時点で難航しているため,実際のスクリーニングAssayに移行できていない.
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今後の研究の推進方策 |
再度,これまでの研究結果,計画を見直し,国内外の共同研究者らに打開策をコンサルテーションをかけ,今年度の進展を目指す予定である.
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