研究課題/領域番号 |
19K22670
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
清野 透 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, プロジェクトリーダー (10186356)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 神経内分泌細胞 / 不死化 / 下垂体 |
研究実績の概要 |
樹立済みの消化管由来神経内分泌腫瘍細胞株やMerkel細胞がん、由来不明の神経内分泌腫瘍の余剰検体より得られたMCPyV陽性のMerkel細胞がんとMCPyV陰性のMerkel細胞がん細胞株の培養条件至適化を試みた。至適化した培養条件を参考にして、下垂体ホルモン産生腫瘍の培養を行い細胞株を樹立した。しかし、樹立されたGHoma由来の細胞株は上皮生細胞株であるもののGH産生が確認されなかった。LHoma, TSHomaについても初期培養に成功している。しかし、ACTHomaからの細胞は初期培養が困難で、新たな培養条件、不死化方法が必要と考えた。コンディショナルに不死化した細胞株を樹立すれば、不死化前の細胞に対する培養条件の至適化も容易になるため、rtTA (tetOff)蛋白と、rtTAにより活性化するTREをもつpromoterから変異CDK4 (CDK4R24C), cyclin D1を発現するPiggyBACベクターを作成した。さらに、ACTHホルモン産生細胞株を樹立するため、ACTH産生細胞のみを不死化できるようPOMCプロモーターをクローニングし、rtTA (tetOff)蛋白をACTH産生細胞のみで発現するように改変したPiggyBACベクターの作成を進めている。これらのベクターをiPSCへ導入し、名大 須賀秀隆博士、佐藤好隆博士ならびに高知大学 西山充博士の協力を得てiPSCから下垂体細胞への分化誘導系で下垂体に分化したホルモン産生細胞を不死化する計画を新たに進めている。一方、新型コロナウイルスの影響で手術検体の受け入れ数が少なくなったため、凍結保存済みの検体から培養を開始し不死化を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で手術検体の受け入れ数が少なくなったため、凍結保存済みの検体から培養を開始し不死化を試みている。
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今後の研究の推進方策 |
凍結保存済みの検体から培養を開始し不死化に加え、iPS細胞からin vitroで分化させた下垂体細胞の不死化を試みる。具体的には、これまでに初期培養にも成功していないACTHを産生するACTHomaの下垂体腫瘍を樹立するため、rtTA (tetOff)蛋白と、rtTAにより活性化するTREをもつpromoterから変異CDK4 (CDK4R24C), cyclin D1を発現するPiggyBACベクターを作成した。またPOMCプロモーターをクローニングし、rtTA (tetOff)蛋白をACTH産生細胞のみで発現するように改変したPiggyBACベクターの作成を進めている。さらに、これらのベクターをiPSCへ導入し、名大 須賀秀隆博士、佐藤好隆博士ならびに高知大学 西山充博士の協力を得てiPSCから下垂体細胞への分化誘導系で下垂体に分化したホルモン産生細胞を不死化する計画を新たに進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で入手できる検体数が減少し、培養が計画通りに進まなかった。新たに計画に加えたiPS細胞から分化させた神経内分泌細胞の不死化に用いる。
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