研究課題
新型コロナウイルスの影響で手術検体の受け入れ数が少なくなったため、凍結保存済みの検体から培養を開始し不死化を試みた。比較的培養・不死化が順調なGHomaを用いてオルガノイド培養を試みた。不死化遺伝子導入前のGHoma細胞はオルガノイド培養法においても増殖が遅く細胞を増幅できなかったが、不死化後のGHoma細胞ではオルガノイド培養でオルガノイドを形成したため、GH産生の確認を進めている。ヒト下垂体腺腫GHomaより神経内分泌細胞の初期培養と不死化には成功したが、ホルモン(GH)産生は確認できなかった。Cushing病の下垂体腺腫由来のACTH産生細胞は同培養条件では初期培養が困難で不死化もできなかった。これらの下垂体腺腫よりホルモン産生細胞の不死化を試みていたが、細胞補充療法を目指す際には正常なGH産生細胞やACTH産生細胞を培養不死化すべきだと考え直し、iPSCより下垂体分化の技術を持つ名大 須賀秀隆博士らとの共同研究を推進することとした。まず、ACTHホルモン産生細胞株を樹立するため、ACTH産生細胞のみを不死化できるようPOMCプロモーターをクローニングした。また、iPSCより下垂体分化誘導後にACTH産生細胞を細胞表面抗原"X"によりソーティングし濃縮できることが分かった。この抗原"X"をコードする遺伝子のプロモーターを用いてACTH産生細胞のみを特異的に不死化できる見通しが立った。一方、rtTA (tetOn)蛋白によりCDK4R24C-ires-cyclin D1を発現誘導されるPiggyBACベクターの作成し、このベクターをiPSCへ導入した細胞を、名大 須賀秀隆博士、佐藤好隆博士ならびに高知大学 西山充博士の協力により3クローン得た。Doxycyclin添加によりCDK4R24Cならびにcyclin D1が誘導されることを確認した。これらのクローンを用いてiPSCから下垂体への分化誘導を開始している。なお、本研究は2022年度より西山博士が研究代表者となる挑戦的萌芽研究へと受け継がれることとなった。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 10件)
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